日本語ではどのようなアルファベットが使用されているかご存じですか?
現代の日本語は主に以下の3種類の文字を使って表記されています。
1.漢字
2.ひらがな
3.カタカナ
これに加え、ローマ字を使って日本語の単語や文章を書くこともあります。
このようにここまで多くの複数の文字体系を使用している言語は、世界的に見てかなり珍しいと言えます。
日本語の文章におけるそれぞれの文字の使用割合を調べたとある調査によれば、内訳は以下のとおりです。
漢字:約27%
ひらがな:約36%
カタカナ:約16%
(出典:https://kotobaken.jp/qa/yokuaru/qa-155/)
漢字、ひらがな、カタカナのいずれも日本語を構成する上で非常に重要な役割を担っています。
したがって、日本語を正しく理解するためには、すべての文字体系を網羅的に学習することが重要です。
それでは、それぞれの文字体系の詳細を下記で見てみましょう。
ひらがな
ひらがなは万葉仮名の草書体からなる草仮名の字をくずして書く中で生まれました。
ひらがなが作られた当初は、和歌や物語などを美しく芸術的に書くために用いられました。
現在では、主に活用語尾や助詞に使用されます。
続け書きをする筆の動きに沿って形成された文字であるため、曲線的で丸みのある形が特徴です。
(当時のひらがなの画像)
ひらがなは音を表す文字(表音文字)で、一文字一文字それ自体は意味は持っていません。
全部で46個あります。
カタカナ
カタカナは万葉仮名を簡素化して、その字形の一部などを符号的に用いたことにはじまりました。
直線的なつくりの自体が特徴です。
カタカナが作られた当初は漢書や古辞書の漢字の訓み方など、学問や実用的な場面で用いられていました。
現在では主に以下の目的で使用されています。
・漢字や平仮名の文字列の中である語句の語形や音を目立たせる
・外来語やオノマトペ等を表記する
漢字
日本語における漢字は中国を起源としています。
中国文化の圧倒的な影響を受け、4世紀後半に漢字が伝えられたといわれています。
漢字の総数はなんと約5万にものぼります。
しかし、日本人が一般的に使用する「常用漢字表」にあげられているのはそのうち2136字です。
日本の学校のカリキュラムでは、この2136字のうち,1006字を小学校で学びます。
中学校の卒業までにはその1006字を使いこなし、他の常用漢字の大体を読めるようになることが目標とされています。
そして高校卒業までには,すべての常用漢字が読め,小中学校で書けるようになった1006字以外の主な常用漢字も書けるようになることを目指します。(詳しくは文化庁広報誌ぶんかるの言葉のQ&Aをご参照)
つまり、通常の日本人は12年もかけてゆっくり常用漢字を習得していくわけですから、日本語学習者のみなさんがすぐに漢字をマスターできなくても全くおかしなことではありません。
漢字は一画からなる「一」といったシンプルな字から、「鬱」のように非常な複雑なものまで多岐に渡ります。一つの文字に読み方や意味が複数あります。
日本語における漢字・ひらがな・カタカナの使われ方
それでは実際に、漢字、ひらがな、カタカナの3種類の文字がどのように使われるか、いくつか例文を見てみましょう。
例:国際交流基金バンコク日本文化センターでは、日本語能力試験(JLPT)を一年に2回行っています。
このように、一つの文章に3種類の文字、加えて英語や数字も使われています。
例えば日本語をすべてひらがなで表記することも技術的には可能ですが、読みにくい文章となったり、意味を取り違えてしまうことが起こります。
例:いぶはあいています。
この文は以下のとおりの変換によって、下記の2通りの全く異なる意味になります。
「イブは空いています」(意味:I am free on Chritmas Eve.)
「イブは相手います」(意味:I have someone to spend Chritmas Eve with.)
漢字・ひらがな・カタカナの役割(まとめ)
文字 | 性質 | 数 | 使い方 |
ひらがな | 表音文字 | 46 | 主に活用語尾や助詞に使用。 |
カタカナ | 46 | 外来語やオノマトペ等を表記、漢字や平仮名の文字列の中である語句の語形や音を目立たせたいときに使用 | |
漢字 | 表意文字 | 50,000 (うち、常用漢字は2,136) | 実質的な意味を表す語に使用。 |
もしあなたがこれまでまったく日本語を勉強したことがないなら、まずはひらがなとカタカナの練習から始めましょう!
日本語に関するご質問があれば、コメント欄で教えてください。
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