日本語を学ぶ際に「どうも」という言葉はよく耳にしますよね。この一語には意味や使い方が複数あり、英語に直訳することが難しいため、混乱している人も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、「どうも」のさまざまな使い方について、例文を用いながら詳しく解説します。
「どうも」の意味と由来
「どうも」はもとは江戸時代の頃に使用されていた「どうも言えぬ」という言葉が由来と言われています。「どうも言えぬ」は「言葉で説明するのが難しい・言葉にできないくらいの」という意味です。
例:「どうも言えぬ景色」→「言葉にできないぐらい(美しい)景色」
現代では、主に以下の3つの使われ方をしています。
- 別の言葉と組み合わせて、強調する・丁寧な印象を与えるために使用
- 「どうも」単体で、カジュアルな挨拶等に使用
- 漠然とした気持ちや、根拠が明確でない推測を表すときに使用
では、それぞれの使われ方について詳しく見てみましょう。
どうもの使い方と例
別の言葉と組み合わせて、強調する・丁寧な印象を与えるために使用
この場合、「どうも」は英語の“very much”や“so”と同じような使われ方をします。
例:
どうもありがとう(Thank you very much)
どうも+すみません (I am so sorry)
どうも+お世話になりました (Thank you so much for taking care of me)
また、意味自体に変化はありませんが、どうもを付け加えることでより丁寧な印象を与える場合にも使います。
例:
どうも初めまして。(Nice to meet you)
どうもこんにちは。(Hello)
どうもさようなら。(Good bye)
「どうも」単体で、カジュアルな挨拶等に使用
上記で紹介した例は、「どうも」だけで使用することも可能です。
この場合、もとの文から意図は変わりませんが、相手に対してカジュアルな印象を与えます。
例:
どうも(ありがとうございます)。(Thanks.)
どうも(こんにちは)。(Hi)
この時の「どうも」は文脈によって意味が異なるので、まず文脈を理解する必要があります。
基本的に「どうも」だけの挨拶は目上の人に使うと失礼にあたるので注意しましょう。
漠然とした気持ちや、根拠が明確でない推測を表すときに使用
こちらはもともとの語源「どうも言えぬ」と同様の使われ方で、以下のような不明瞭な気持ちや推測を表すときに使用します。
(1)あれこれ考えたり試したりしてもなかなか満足できない気持ち
例:「あの審判の判断には、どうも納得がいかない」
(2)事の原因や理由がはっきりわからない気持ち
例:「どうも彼とは馬が合わない」
(3)根拠がはっきりしないまま漠然と推測する気持ち
例:「今日はどうも午後から雨らしい」
日本語の「どうも」とは?その意味とシーン別の使い方(まとめ)
ひとつの単語で多くの意味を含む「どうも」。
日本語学習者にとっては混乱しやすい言葉かと思いますが、この記事を読んであなたの理解がより深まったら幸いです。
日本語でよく使われる表現なので、みなさんも積極的に「どうも」を使って、自然な使い方をマスターしましょう!
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